ご存知の方も多いと思いますが、KOL(Key Opinion Leader)は、中国におけるマーケティングやプロモーションに欠かせない存在です。今は、どこに行っても当たり前のようにKOLの影響力を耳にします。今回は、中国で多くの日系企業のプロモーションをお手伝いさせていただいているPRエージェンシーとして、中国におけるKOLの効果的な活用方法をご紹介します。
そもそもなぜ中国でKOLがこれほどにも人気なのでしょうか?次の3つの理由があげられると思います。①インターネットユーザーの増加(普及率約60%を記録)②インターネットユーザーの約98%がモバイルユーザーであり、圧倒的にスマホ中心の生活となっている。 ③SNSの1日あたりの平均利用時間は日本の約3倍で、インフルエンサーの投稿内容が多大な影響を与える傾向にある。
インターネットの普及とともに、KOLの影響力は徐々に強まってきました。中国でもトップクラスのKOLである元新聞記者の黎贝卡さんは、2014年に個人のWeChatアカウントを開設し、現在では600万人を超えるフォロワーを抱えています。時に100台限定販売のミニクーパーをわずか5分で完売させるなど、非常に高い影響力を持つKOLの一人です。このようなプロモーションや販売促進力が強いKOLは中国で数多く存在します。
一方、日系企業を中心にKOLを疑問視する声が増えているのも事実です。KOLの費用は日本人インフルエンサーの約10倍近くと高額で、ビジネスの検証段階であったり、限られた予算の中で実験的に中国進出を目指す企業にとっては、ハードルが非常に高くなっています。また、KOLビジネスの普及に伴い、ブームに便乗した偽物のKOLやKOL事務所が目立ちはじめました。例え本物のKOLであっても、影響力を数値化したり、短期間で効果を見込むことが難しい点もその理由の一つとなっています。
次に、KOLの有効な活用方法をご紹介します。KOLを起用するにあたり、重要なポイントは、目的に合わせてメディアやKOLのジャンルを使い分けることです。そしてKOL自身の影響力に頼りすぎず、バズを起こす肝となるコンテンツや企画を一緒に取り入れることです。
プロモーションの目的は主に認知型のブランディングと販促型のキャンペーンの二つに分かれるかと思いますが、まず認知型のブランディングを目的としたプロモーションのKOLの選定方法をお伝えします。
○Weibo、WeChatで活躍するKOLの起用
WeiboとWeChatは、中国の主流なソーシャルメディアで、ほかのメディアに比べて圧倒的にアクティブユーザーが多いのが特徴です。
続いて、販促型のキャンペーンが目的となる場合は、以下のようなKOLの活用をオススメします。
○Tmallのライブ配信系KOLの起用
Tmallに出店している企業・ブランド限定ですが、ECサイトと直接連動できるため、販促施策を設計しやすい強みがあります。また、Tmallに所属するKOLは、報酬として広告費以外にロイヤリティを受け取るため、より多くの報酬を稼ぐためにしっかりと商品をアピールしてくれる傾向にあります。
以上、ご紹介したKOLのほかにも、スポーツアプリ、旅行サイト、育児メディアなど、バーティカルメディアで活躍するKOLも数多くいるので、どのようなターゲットにアプローチしてどのような露出を目指すのか、全体のコミュニケーション戦略をしっかりと整えてから選定することが大切です。
冒頭でも説明しましたが、KOL施策の効果を測定することは非常に難しいのが現状です。プロモート活動を進める中で効果測定が必要になることも出てくるでしょう。現在神谷製作所では、そのような課題を解決するソーシャルメディアの分析ルーツを利用したシステム構築を進めています。近い将来、皆さんのお役に立てる日がくると嬉しいです。