はじめまして。PRディレクターの張です。私は中国生まれ、中国育ちの中国人です。前職は上海博報堂で働いていました。これからスタートする連載では、中国と日本、両方の広告業界を経験してきた者として、中国の最新事情や中国消費者のインサイトなど、中国にまつわる最新情報をピックアップして解説していきます。
中国と言えば、「キャッシュレス」「未来都市深セン」「経済の減速」「中米関係悪化」などのキーワードをよく耳にします。現在のネット社会では、中国に関する情報は溢れ返り、ポジティブなものもネガティブなものも、事実やデータ検証が行われていない誤った情報までも広まってしまっています。
「経済の減速」の話で言えば、中国のGDP成長率は確かに鈍化しています。ですが、このような状況の中、中国に進出する日本企業が逆に増えているのも事実です。それはなぜでしょうか。また、中国進出した企業が北京・上海に続いて出店する都市に沿岸部ではなく、内陸部にある成都を選ぶケースも増加しています。同じ商品においても、メインとなるターゲット層が日本と中国で異なることも少なくありません。どうしてこのようなギャップ生まれるのでしょうか。これらを理解するためには、中国の経済戦略や国民のインサイトを理解することが必要となってきます。
初めて中国進出するクライアントから、次のような質問をいただくことがあります。
「中国は広いから、最初はどこのエリアで展開すれば良い?」 「Tmall、JDなどのECサイトがたくさんあるが、どのチャネルを選ぶべき?」 「中国で知名度や好感度を高めるプロモーションの方法は?」
実際には、商材、ターゲット、販売戦略によって、チャネルやプロモーション手法は異なります。沿岸部で展開すれば必ず成功できる、Tmallに出せば売れる、TikTokであれば宣伝効果が期待できると一概には言いきれないということです。
中国のECサイト次回以降は、中国の最新トレンド、各消費者トライブのインサイト、現地のプロモーション手法、成功事例の4つの視点から中国事情を分析し、中国に興味をお持ちの方や中国進出をお考えの方に役立つ情報を発信していきます。